嘘カノでも幸せになれますか

次に到着した電車の人の中にもダンが見つけられず、不安になる。

もう、こんな事だったら素直にダンに迎えに来てもらえば良かった。


『ダン、今どの辺かな?』

再度ラインを送ったけど、最初のメッセージにもまだ既読が付いていない。


ダン・・・。


いつも待ち合わせに私が遅れると、とても心配してくれるダン。

それがいつも大袈裟だなって思うこともあったけど、実際にこうして待ち合わせで姿が見えないと不安になる。

いつもダンはこんな気持ちだったんだね。ごめんね、ダン。

ダン、早く来て。お願い、不安だよ。

ダンの乗ってくるはずの電車から一時間が経ち、私はダンに電話してみた。

相変わらずラインは既読されない。


『お客様のお掛けになった番号は電源が入っていないか・・・』


感情のない、録音された声でお姉さんがそう答えている。

ダン、どこにいるの? 私のこと、どこかで見ててからかってるの?
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