嘘カノでも幸せになれますか
ダンからの連絡はなく翌朝を迎え、何度もラインの画面を開いては既読が付かないことに不安になる。
今日は午前中からピアノのレッスンが予定されていて、朝からダンのお家に行くことができないから夕方にもう一度行ってみようと思って家を出た。
ピアノ教室へ行くと今日は珍しくたっくんがいて、
「柚葉、おはよう~。今日は早いね」
なんて呑気に挨拶をしてくる。
「ね、たっくん。ダンのこと何か知らない?」
「ん? ダン? ダンがどうしたの?」
私は昨日のことをどこまでたっくんに話していいのか悩んだ。
「昨日からね、連絡付かないの。たっくん何か知ってるかなって思っただけ」