嘘カノでも幸せになれますか

「へぇ、柚葉が連絡付かないなら俺はもっと連絡付かないんじゃないの?」

「そうだよね・・・」

「ね、それってダンが浮気してんじゃない? もうこの際、ダンをやめて俺にしない?」

「もう! 真剣に聞いたのに! たっくんなんて知らない」

「冗談だよ。ダンは柚葉のこと大好きなんだろ。待ってりゃすぐに連絡来るよ。あんまり心配すんな」

「うん、そうだよね。待ってみるね」


今日のピアノレッスンにはたっくんも参加して、ピアノを弾いているその時間はダンのことを頭の片隅に置くことができた。

「ね、柚葉。MGRの曲を一緒に演奏しない? まだ弾けるでしょ?」

「うん、いいよ」

私とたっくんがMGRの曲を演奏している時、私のスマホが震えていることに気が付かなくて。

着信に出ることができなかった。
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