嘘カノでも幸せになれますか
「ね、ユズはダンとどんな知り合いなの?」
アヤさんから暖先輩との関係を聞かれたけど、私と暖先輩に関係なんて何もないよね。
「えっと、何日か前にお財布を忘れて電車に乗れずにいた私を暖先輩・・・あっ、ダンが助けてくれて。その時に初めて話しました」
「えっ、その話。ダンから聞いたよ。それってユズだったのね。へぇー、そうだったの。ふぅーん」
「暖せんぱ・・・いや、ダンが私のこと何か言ってたんですか?」
あー、もういちいちダンて呼び直すの面倒!
ダンは私のことをアヤさんたちにどう伝えたんだろう。
「ダンがね、キーボードできそうな子を見つけたって言ってたの。しかも、ダンってばね」
「おっと! そこで話はストップだよ、アヤ。その方が面白いだろ」
アヤさんの話をタクさんが遮って、気になる続きが聞けなくなってしまった。