嘘カノでも幸せになれますか

さすがに1階から2階へ声は掛けてこなかったけど、一輝先輩は私を見たままニヤニヤ笑っていて。

その一輝先輩の視線を唯花ちゃんが追っていたようで、唯花ちゃんが私の元へ来て小さい声で話し掛けてきた。

「本多さんって、一輝さんと知り合いなの?」

「うーん、知り合いのような、そうでもないような。咲希を通じて知った人だから、間接的な知り合いかな。どうして?」

「う、ううん。ちょっと聞いてみたかっただけなの。急にごめんね」

そう言って唯花ちゃんは元いた場所へと戻って行った。

もしかして、唯花ちゃんは一輝先輩のことを好きなのかな?
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