嘘カノでも幸せになれますか
「もしもし。どうしましたか? もしかして今日は練習とか?」
『ちがうよ! お前のこと待ってんのにいつまでも来ないから。なんで一輝と一緒にいんだよ』
「えっ? 私、何かダンと約束してました?」
『別に、そうじゃないけど。男に免疫つけるいい案があるって言っただろ。それを今日から実践するんだよ。早く昇降口に来い。待ってるから』
「ちょっ、ダン。あの・・・」
すでに通話は切れていて、毎度の強引さに笑いすら出てくる。
それでもイヤではない。
むしろこれからダンに会えるって思うと嬉しくなる。
「柚葉ちゃん、顔がにやけてますけど~」
はっ! そうだった、一輝先輩がいたんだ。