嘘カノでも幸せになれますか

「な、ユズ。さっき一輝がユズの携帯に出たよな。何してたんだよ。っつーか、一輝と接点があるのか?」

「へ? 一輝先輩?」

ダンから急に一輝先輩のことを聞かれて少し驚いた。

「一輝先輩は、良く分からないの。バスケの練習を見に来いって咲希経由で聞いてね、さっき体育館に行ったの」

「ふーん。それで一輝は練習中のはずなのに、なんでユズの携帯に出れるんだよ」

「あの時は休憩中でね、一輝先輩が勝手に電話に出ちゃったの。でもさ、そう言うところが咲希と似てるって思ったの、おかしいよね」

「そう言うことじゃなくてさ。まぁ、いいけど。一輝に何か言われた?」

「好きな人がいるか聞かれた。変な質問でしょ」

ふっ、とダンが笑ったかと思ったら、目線を運ばれてきたアイスコーヒーに移したまま何も言わずにストローでアイスコーヒーに入っている氷をくるくるかき混ぜていた。
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