嘘カノでも幸せになれますか

急に黙ってしまったダンを不思議に思って、

「ん? どうしたの、ダン」

「いや、なんでもない。腹減ったなって思ってさ。早くパンケーキこないかなって考えてた」

嘘ばっかり。何か違うことを考えてた。

聞ける感じじゃないから聞かないけど。

一輝先輩になにか関係したことなのかな。

次の会話が見つからないから、私は再度店内を見回して、

「あっ、あそこにイルカのオブジェがあるよ。かわいい」

そう言ってイルカのオブジェを指さしてその場所をダンに教えてあげたら、そのイルカの近くの席に同じ学校の制服を着た4人の女子がいて、私たちを見ていることに気が付いた。
< 69 / 314 >

この作品をシェア

pagetop