嘘カノでも幸せになれますか
「ん、どこにイルカある?」
ダンが私の指さした方を見ようとしたから、
「やっ、やっぱりイルカいない! 私の見間違いだからそっち見ないで」
なんて言ってももう遅くて。
女子4人の方にダンが振り向いてしまったから、気付かれてしまったみたい。
その4人は何か喋ったあと、スマホを操作してて。
「ダン、同じ学校の女子に見つかっちゃったみたい。どうしよう」
「別にいいんじゃね。何か悪いことしてんのか、俺たち」
「違うけど。だってダンの側にいるのが私だよ。悪いことしてないけど、悪いじゃん」
「ユズ、そんなことばっか言ってると、あいつらの前でチュウするかんな、いいのか」
「ばっ! バカ! チュっ、チュウって!! ダンのバカ!」
もちろん冗談で言ってるのは理解しているよ。
だけど免疫のない私の顔は真っ赤で。
赤い顔をダンに見られたくなくて、両手で顔を覆って隠した。