嘘カノでも幸せになれますか

「ん、どこにイルカある?」

ダンが私の指さした方を見ようとしたから、

「やっ、やっぱりイルカいない! 私の見間違いだからそっち見ないで」

なんて言ってももう遅くて。

女子4人の方にダンが振り向いてしまったから、気付かれてしまったみたい。

その4人は何か喋ったあと、スマホを操作してて。

「ダン、同じ学校の女子に見つかっちゃったみたい。どうしよう」

「別にいいんじゃね。何か悪いことしてんのか、俺たち」

「違うけど。だってダンの側にいるのが私だよ。悪いことしてないけど、悪いじゃん」

「ユズ、そんなことばっか言ってると、あいつらの前でチュウするかんな、いいのか」

「ばっ! バカ! チュっ、チュウって!! ダンのバカ!」

もちろん冗談で言ってるのは理解しているよ。

だけど免疫のない私の顔は真っ赤で。

赤い顔をダンに見られたくなくて、両手で顔を覆って隠した。
< 70 / 314 >

この作品をシェア

pagetop