嘘カノでも幸せになれますか

赤い顔を隠していた手を頬まで下ろして、ダンを上目遣いで睨みながら、

「私、一人で全部食べないもん。ひどいよ、ダン」

一瞬ダンと目が合ったけど、ダンはテーブルに肘を付けた右手で顔を覆って、窓の方を向いてしまった。

「ばか。その顔、ずるいよ」

ダンの顔がほんのり赤くて。

何がずるいのかも分からなくて。

「ばかはダンだよ」

そう返事するのがやっとだった。
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