嘘カノでも幸せになれますか
話題を変えようと、運ばれてきたパンケーキを見て、
「わー、パンケーキ美味しそう。食べちゃうのがもったいないくらいかわいい。ね、食べる前に撮っていい?」
「ちょっと待って。俺そっち行くから。ユズはお皿持ってて」
席を立ったダンが私の隣に座って、私とパンケーキとダンが同じ画面に収まるようにしてダンが自撮りした。
「これ、後でユズに送っとくな。待ち受けにしとけよ」
「今の見せて。どんな顔で写ってるか確認させて」
するとダンが自分の携帯に収まった写真を確認して、
「あ、悪りぃ。ユズの顔入ってないわ」
「なっ! 自撮り下手なの? じゃ、パンケーキだけ撮るからいいもん」
ブサイクな顔が写っていなくてホッとした反面、なぜかがっかりしている気持ちもあった。