嘘カノでも幸せになれますか
ダンがお店の外へ出たのを見計らったように、お店にいた同じ高校の4人の女子たちが私の所へやってきた。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「あなた、誰? 何年生の子なの?」
「どうしてあなたが暖と一緒にいるの?」
「私たち怒ってないから、説明して欲しいんだけど」
うわー、来た。凄い質問攻め。
怒っていないって言うけどさ、顔が怖いよ。
「ね、教えてよ。なんで暖とパンケーキ食べに来てるのよ!」
怒っていないって言ったのに。
4人に圧倒されて下を向いていたけど、何か言わないと帰ってもらえない雰囲気だから答えるしかなくて。
「私、本多柚希です。一年です。」
「ふーん、一年なんだ。じゃあ、しょうがないか。知らないだろうから教えてあげるわね」
「二年の宮野暖は誰が告白しても断るのよ。他校に彼女がいるらしいの。この前も学年一の子が振られたばっかりだし」
「どうやって暖をだましてここに連れてきたか知らないけど、きっと暖はあなたのこと可哀想に思ったのね」
「あははっ、そう言うことだったのね。悪いこと言わないから、早く帰った方が良いわよ。可哀想にねー」
4人は言いたいことを言うとスッキリした顔をしてお店を出て行った。