嘘カノでも幸せになれますか
パンケーキ屋さんを後にして、駅までの道を無言のままダンと並んで歩く。
会話が途切れたらどうしようって、さっきまで思っていたのに。
今は隣にいるダンのことよりも、明日からのことで頭がいっぱい。
ダンがパンケーキ屋さんで会った4人に堂々と付き合ってる宣言をしてしまったから、もう私が嘘のカレカノになるのをダンに断ったところで噂が広まるのは時間の問題だよね。
それなら嘘でもダンと付き合っているふりをして、私が早く男の人への免役をつけるしかないのかな。
でも、気になることがある。
その気になることをダンに聞いてみた。
「さっきの4人が言ってたんだけど、ダンって他校に付き合っている人がいるんじゃないの?」
「ん? あいつらそんなことユズに言ったのか。ははっ」
ダンは私の質問に笑うだけで何も答えてくれない。
「別に隠さなくてもいいよ。もしいるのなら、私は暖の嘘カノにはならないよ。ダメだもん、そんなの」