嘘カノでも幸せになれますか
「ユズ、嘘で付き合うのがイヤなら、俺たち本当に付き合うか?」
「はい? 何言い出すの、ダン! 私のこと好きでもないくせに、なんでそんなことが言えるの」
「ははっ。そうだな。ユズは俺のこと好きじゃないしな」
私がダンのことを好きじゃない?
違うよ。
ダンが私のことを何とも思っていないの。
「私、ダンのこと嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃないって。それって好きか嫌いか、どちらかと言えば好きってことだよな。なんかムカつくな、そのユズの言い方」
ムカつくって言いながらダンが私の頬をつねってきた。
「いたーい! 何するのよ、ダン」
「ふははっ。ユズの変顔、おもしろいわ」
結局話は冗談になって終わってしまい、私一人が色々と複雑に考えているんだなって感じた。