嘘カノでも幸せになれますか

担任が教室に入ってきたから、ざわついていた女子たちもそれぞれの席に戻り、一旦は噂話が収まったんだけど。

休み時間のたびにダンのことを話すから、私は休み時間になるとトイレへと逃げてどうにか私とダンのことはバレずに過ごすことができたのに。


お昼休みに事件は起こってしまった。


「柚葉―、今日のお昼はどこで食べる？　教室にいるのがイヤなら外に行こうか？」

「うん、そうだね。ごめんね、咲希」

いつも一緒にいる友達グループに咲希が適当に話をしてくれて、今日のお昼は外で食べることにしてもらった。

本当に咲希には感謝だよ。

「ありがとう、咲希」

咲希にお礼を言っていると、教室のドアから私を呼ぶ声が聞こえたからドアの方へ振り向くと、そこには目を疑う人が立っていた。