【短編】君のすべて
家を出て角の公園まで行くと
1台の車。
『お待たせ~』
「俺も今、来たとこ
全然待ってないし
寒いから早く乗りなよ」
今のターゲット♪
まぁ何人かの1人だけどね。
「カスミちゃんって可愛いのに
彼氏いないなんて信じられないなぁ。」
『カスミ可愛くないし
本当に全然モテないんだよ~。』
こう言えば喜ぶんだよ、男なんて。
「カスミちゃんは可愛いよ!!
俺なんか一緒にいれるだけで嬉しいしさ」
簡単に落ちちゃったなぁ。
まぁでも、後一押しってとこだったから
こんなもんか。
『ありがとう』
「本気だからっ!!
そうだ
帰りも迎えに来るよ。」
帰りは…
確か…あの人と約束してたような…
『そんなの悪いよ』
「気にしないで!!
俺がしたいだけだから…」
『でも、今日は遅くなりそうだから
明日の朝また会いたいな』
嘘ばっかり。
でも、それなのに喜んでる相手。
「わかった
また明日迎えに来るよ」
『うん♪
ありがとう
楽しみにしてるね』
「じゃあまたメールする」
『うん、待ってる♪』
会社の近くで降ろして貰い
笑顔で去って行く車に手を振る。