【短編】君のすべて

「おまえは俺がいなくても平気だろ?」



ねぇ…なんで目見ないの?



『何で…そんな事言うの?』



「…ずっと思ってた。
いつになったら花澄は恋愛すんだろうって…
俺の事いつになったら見てくれるんだろうって…」



…えっ?



「気づいてなかっただろ?」



ようやく私を見た慎也は
切なそうに苦しそうに微笑んだ。




「他の男に恋して欲しくなくて
でも、俺を見て欲しくて
ずっと傍にいた。」



『……いつから?』



聞いて…どうするの?



「出逢った時から…
まぁそん時には
花澄にはあの男がいたけどな。
あんな男だってわかってたら
花澄が傷つく前に
奪っておけば良かったって後悔した。」



全然知らなかったよ…。



「俺、呼び出されて
そんな面倒臭ぇ事に巻き込まれに行くほど
お人好しじぇねぇからな」



『だって…慎也
女は信用出来ないって…言ってたじゃん』



ようやく出た言葉。



「だってそう言わなきゃ
花澄の傍にはいられなかっただろ」



確かにそうだけど…。



えっ…でも…ちょっと待って。



「そろそろ出るか」



ちょっと!!!


その二次会行くかってのりはなんなの?


今の今までシリアスな顔してたじゃない。


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