【短編】君のすべて
「待って!!
やっぱ俺、諦めれない。
カスミちゃんいつも俺に
笑顔を向けてくれてたよな?」
それは偽りの笑顔だよ。
『特に意味なんてないよ』
「だけど!!
その笑顔が好きなんだ」
偽りの笑顔なのに?
適当に楽しく遊んで
楽しい時間を過ごして
気を紛らわせればいい。
その為の手段なだけなのに――。
「カスミちゃんが付き合ってくれるまで
帰さないから!!!」
…もしかしてヤバめ?
ポケットの携帯
側面のロックボタンを解除して
発信履歴を出して
通話ボタンを押す。
見なくても出来る操作。
いつも誰かと会う前に1番上にある名前。
数秒後に切断。
『私の事、何も知らないでしょ』
「これから知ればいい
きっとカスミちゃんも俺の事好きになるよ
だって、俺がこんなに好きなんだから!!!」
あっちゃ~。
こっちのタイプだったか…。