【新装版】BAD BOYS

「あ、染ちゃんおかえりー。

あのね、今つーちゃんとはなちゃんのこと話してたんだけど、染ちゃんははなちゃんと付き合うのどうなのかなぁって」



「……ああ、」



納得したように、染が頷く。

それから何を言うのかと思えば。



いつも通りに色っぽさを携えて。

誰にも負けないほどの片想い歴を、持ってして。



「今ちょうど、きっぱりフラれてきた」



「は……？」



……え？　フラれてきた？

フラれ……フラれて、きた……？




「は、あ……！？　告ったの！？」



「めんどくせえだろ、ずるずる引きずんの。

別に俺はあいつとどうなりたい訳でもねえし、言った方が早いだろ」



「今まで言わなかったのは何だったんだよ！？」



「あいつの居場所はここだろ。

俺との関係性持ち込んで、あいつが戻りづらい環境作ってどうすんだよ。戻ってきたから、さっさと済ませただけだ」



まじ、か。ああでも、そう、か。

告白して、それ以上のことを望まなかったら、そんなもんなのか。俺ははなびのことを好きだから、それ以上のことが、欲しいだけで。



「……俺が気にしてねえから、はなびも気にしてねえよ。

それよりあいつの頭ん中は、俺らと"彼氏"っつう関係をどう両立させるかで、既にいっぱいらしいぞ」



「……なあ、俺思ったんだけど」