【新装版】BAD BOYS
不思議なことになってるなと思いながらも了承して、片付けを終えたから今日は解散。
最近はちゃんと補導されない時間に帰ってるし、今日はいつもに比べて早めだから、すみれもあと数十分は起きてるだろうし。
「ただいま」
「おにーちゃんっ、おかえり……!」
案の定熱烈に出迎えてくれたすみれにもう一度「ただいま」を告げて。
もうすみれも3歳だからそういう歳でもないんだけど、何気なくいつもの癖で彼女を抱き上げようとして、ふと気づく。
「すみれ、身長伸びたな」
「えへへっ。
パパも、すみれがおっきくなったって言ってた」
「成長してるな」と笑顔の彼女の頭を撫でて、結局抱き上げることはなく、手を握ってきたすみれとリビングに向かった。
それから両親にも「ただいま」を告げると、おかえりと返してくれる。
「ご飯あたためれば食べれるわよ」
「んじゃ食べる。手洗ってくるわ」
「ええ。すみれも、歯磨きしておいで」
『花舞ゆ』に入ったキッカケは、昔馴染みのメンバーばっかりだから、っていうのがあって。
別にグレてるわけでもねえから、家族仲が悪いってこともないし。ほかのヤツらはさておき、俺は反抗期も来なかったような気がする。
ちょうどそれぐらいの時にすみれが生まれたっていうのもあって、母親が色々と構ってくるのを、嫌と思ったこともない。
俺からすれば父親はふたりいるわけだけど、どっちにも反抗したことはないし。
「おにーちゃん、いっしょにねよー?」
ちょっと遊んでるだけで、不良、という言葉とは少し離れているような気もする。
……一時期、ちょっと喧嘩してたことはあるけど。