【新装版】BAD BOYS
晩飯を済ませ、俺が風呂に入る頃に2階へ上がっていったすみれ。
風呂から上がって部屋に行けば案の定俺の部屋にいて、21時を過ぎたというのにまだ寝ていない。どうやら俺のことを待っていたらしい。
「夜更かししちゃダメだろ、すみれ」
タオルの間から覗く髪色に慣れないと思いながらもわしゃわしゃと拭いて、ベッドに上がる。
このまま寝たら起きてから髪を整えるのがめんどくさそうだけど、まあいいや、どうせ明日も俺は休みだし。
「ん、ほら。おいで」
布団の中に入ってから腕を広げれば、すみれは嬉しそうに抱きついてきた。
……この顔が見れるなら、なんでも許せる気がする。
「ぎゅー、して……?」
そんな可愛すぎるおねだりにふっと笑みをこぼしてから、抱き寄せて背中をぽんぽんと撫でる。
俺の服を小さく握ったすみれは、おやすみなさいを言ってから、おとなしく目を閉じた。
「……お利口、だな」
少ししてからぽつりとつぶやくけど、反応はない。
俺にかまってほしいと限界まで眠気を我慢していたすみれは、はやくも眠ってしまったようで。そっと、綺麗な髪を撫でる。
寝顔を見ているだけで幸せな気分だ。
優しくて素直な、俺のかわいい妹。どうかこのまま素直に育って欲しいと、ちょっとだけ親みたいな感情が浮かんだ。
すみれを起こさないようにして、ベッドサイドに手を伸ばす。
スマホの明るさを落としてメッセージを確認してから、はなびに芹と遊びに行こうと連絡する。
すぐにかえってきたはなびからの返事は意外にもあっさりOKだったものの、テスト期間が近いから夏休みに入ってからにしてほしいというリクエスト。
まあ急いでねえし、「了解」と返して。
はなびからの返事を芹に伝えたついでに、「はなびの誕プレ買いに行こ」と誘う。
7月末だからあと1ヶ月ぐらいあるけど、女の子のプレゼント選びって難しいし。好きだけど彼女じゃねえから、それも考えないといけないし。
そう思いながら芹とやり取りしていれば、全員からプレゼントでいいんじゃね?ということになり。
結局夏休みに、5人ではなびの誕生日プレゼントを買いに行くことになった。