【新装版】BAD BOYS







「椿くーん」



「ん〜? なに、どした〜?」



──水曜日。

学校に行けば案の定「髪染めたの!?」という反応を大量に頂き。教師にも「お前どうした」と言われる始末。そしてシイは。



「……ご乱心?」



どこぞで聞いたようなセリフを俺に向けて放った。……俺が髪染めたらそんなにおかしいか。

とはいっても、カラコンはそのままで。女子からはひさしぶりにキャーキャー言われたけど、俺の脳内、いまは略奪計画で忙しいんだよねえ。



「下でかわいい子が呼んでるってー」



そして放課後。

シイが遊びに行こうよと誘ってきたから、めずらしいなと思いながら頷いて。どこ行く?と教室で話していたら、まさかの呼び出し。




「それ今日じゃねえとだめ?」



「いや、今日っていうか、他校の子だよ?

迎えに来てるけど、あれ彼女じゃないのー?」



ひょっこり顔を覗かせてそう言うのは、たしか1コ上の先輩。

誰に対しても基本タメ口でゆるーい俺のスタイルは、いまさら誰も気にしてねえからこんな感じだ。……って、ちょっと待った。



「他校?」



「うんー」



どこにいんの?と聞けば、校門のところにいるらしい。

教室の窓辺に歩み寄って目を細めれば、確かに校門のところにざわつきがあるのはわかる、けど。



「……あ、ノアさんの彼女じゃん」



< 194 / 463 >

この作品をシェア

pagetop