【新装版】BAD BOYS
俺の視力じゃ見えねえな、と眉間を寄せていたら、隣から顔を覗かせたシイを見る。
……ノアさんの、彼女。つまり、それって。
「……はなび?」
「うん。見えてないの?」
「……からかってる、とかじゃねえよな?」
「あれ白金の制服だと思うけど」
俺はシイに、はなびがどこの学校に通ってるかまでは話していない、はず。
ということはシイが見たままを言ってることになる。なんで連絡、とスマホを見たけど着信もメッセージもナシ。……一体どうしたんだ。
とりあえず要件だけ、と電話をかけると。
すぐに繋がって、「もしもし?」と呑気な彼女。
「はなび、今天皇寺まで来てんの?」
『あ、ばれた。
……前に椿も白金まで来てたから、その仕返ししようと思って来たのに』
「子どもかよ……、どした?」
電話しながら、おしえてくれた先輩に口パクで「ありがとう」とお礼を言う。
そうすれば彼女はひらひらと手を振って、帰っていった。
『んーと……
今からちょっと、一緒にカフェ行かない?』
「……は?」
『あ、えっと、違うの。
カフェに用事があるんだけどひとりじゃ行きづらくて、染を誘ったんだけどね?今日は放課後学校に残って勉強するみたいだから、』