【新装版】BAD BOYS
現時刻は、20時過ぎ。
俺らが一度ここに来たのは12時前だし、そろそろ帰っててもおかしくねえんだけど。向こうから返答はなく、いまだに留守にしているらしい。
これじゃあどうすることもできねえし、仕方なく今日は打ち切り。
次の日も朝早くと昼間にひとりで訪れてみたが、はなびがいる気配はどうもない。
『……泊まってていねーのかもな』
「その可能性もなくはねえ、よな~。
とりあえずたまり場もどるわ」
ずっと心配してくれている芹とやり取りを終えて、電話をかけるのはシイで。
そういえばシイと出会ってから、こんなにも話さない日が続いたのははじめてだな、と思った。
『……もしもし?』
ちょっと気だるそうな、シイの声。
嫌なら出なくてもいいのに、ちゃんと出るところは真面目だ。開口一番ごめんと謝れば、向こうからは眠そうなあくびがかえってきた。
『なに……?
そんなことだけで連絡してきたの?』
「……そんなことだけって」
『別に怒ってないよ。
あえて煽ったのは俺の方だし。……そっちのお姫様、この間から音信不通なんだけど』
「……いや、それが、」
はなびが俺らの元を去ったことと、俺らの間にあったことを手短に話せば。
また呑気にかえってきたのはあくびで。
『お前ばかなんじゃないの?
好きな女自分から逃がしてどうすんの?』
ご最もすぎる意見が返ってきた。
正論すぎて泣ける。……昨日芹に話聞いてもらって楽になったし、泣かねえけど。