【新装版】BAD BOYS



穂の補足を聞いて、「ああ、なるほど」と納得する。

たしかに、サバサバしてるからそういう面では芹とは付き合いやすい。それ故に女友達も多くて、挙句モテる、と。



「彼女作んねえの?」



「作るとか作らない、とかじゃなくね?

俺は好きなヤツとしか付き合わねーって決めてるだけだよ」



「ほらぁ、こういうとこもモテ要素だもん。

まあ芹ちゃん、はなちゃんのこと好きだったからしばらく恋愛したくないだけだろうけどー」



「……は!?」



「っ、いきなりデカい声出すなよ」



なんだよ、って軽く睨まれるけどそれどころじゃない。むしろ俺が「なんだよ」って言いたい。

……はなびのこと好きだった、って、なにそれ。




「お前はなびのこと好きだったの?」



「……俺から見れば、なんで椿が気づいてなかったのかの方が謎なんだけど。

芹があまりにもわかりやすいから、はなび本人も気づいてたよ」



「……え、はなびも知ってんの?」



「芹ちゃんの潔いとこってー。

はなちゃんにバレたから、ちゃんと告白したとこだよねー。普通は距離置こうとするでしょ?」



「おー。『芹のことは好きだけど、やっぱり仲間以上には見れない』ってフラれたけどな。

あ、椿。お前勝手に暴走しそうだから先言っとくけど、俺もうあいつのこと何とも思ってねーぞ」



……まじか。

あれ、俺ってそんな鈍感だっけ?



褒められたことじゃねえけどこれでも結構遊んでる方だから、そういう気持ちには敏い方だと思ってたのに。

芹がはなびのこと好きだったのも、告白したのも全然知らなかった。……あと、フラれてたのも。



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