【新装版】BAD BOYS
・seventeen
・
「……あーあ。
せっかく復活してたのに、椿がまた落ち込んでる」
「つーちゃん、仕方ないよー。
テスト期間だったし、はなちゃんも忙しくしてたんだってー」
「………」
「……お前ほんとめんどくせーな」
ソファに沈んでる俺に、遠慮ない言葉をかけてくる氷見が丘の3人組。
夏休みに入ったからもうどうでもいいんだけど、俺の定期テストの結果は散々だった。はなびのことで頭いっぱいなのに、勉強なんかしてらんない。
……はなびのことがなくても、勉強しねえんだけど。
おかげで単位が危ういらしく、夏休みに補習まで入れられたし。それでもまあ、それだけやっておけば進級させてくれるんだから楽なものだ。
どうせシイも単位足りなくて補習だろうし。
「……椿」
見かねたように俺に声をかけてきたのは、染で。
ちらりと視線だけを上げれば困ったように苦笑した染は、「買い物行くか」と珍しく俺を誘う。
「……そんな気分じゃねえけど」
「椿だけじゃなくて、お前らも。
はなびの誕生日プレゼント買いに行くって言ってただろ。どうせ予定無くて空いてんだから」
「染ちゃん、今日日曜だから人多いよー?」
「……平日は俺が行けねえだろ、講習で」
ぽんぽんと頭の上で交わされるやりとり。
そもそもはなびは誕生日プレゼントなんか受け取ってくれんの?という俺の疑問は、そんな俺の表情に気づいたらしい染の言葉で解決した。