【新装版】BAD BOYS
「……椿って変なとこで鈍感だよね」
「変なとこっていうか、
はなびのことになると周り見えてねーよな」
「だいたい暴走して自爆だよねー」
俺のメンタルをがつがつ削りに来る氷見が丘3人組。
薄々気づいてたけど、嫌でもわかってたけど、俺ってはなびのことになると周りが見えてないらしい。そして暴走してるらしい。
昨日の合コンで、はなびがこっちに帰ってきていることを知って。連絡先を聞き出して、そして今日の放課後、学校近くで待ち伏せ。
……いや俺、もう既に暴走してんじゃん!!
待ち伏せってなんだよストーカーかよ……!
しかもはなびに、ここに戻ってこさせるなんて無茶な発言をして。
しまいには、週末にデートを取り付けて。
「……盲目すぎる」
「まあ、女子からすればそれだけ愛されて嬉しいもんなんじゃないの?
相手が好きな人だったら、に限られるだろうけど」
「言い換えれば一途だよなー。
振り向く気配のねー片想いだけど」
「でも好きな人以外から好かれても気持ち悪いって聞くよねー」
「っ、お前ら何なの!?
俺のことそんなにいじめたいの!?」
フォローしてくれたと思ったら貶されるし、穂に至ってはフォローですらない。
タチの悪い3人に、ふるふると打ちひしがれていたら。
「お前ら、暇だからってあんまり椿をいじめてやるなよ」