【新装版】BAD BOYS
二つ折りのそれをぺらっと開いた彼女は、中に書かれたものを目で追っている。
俺から見えるこっち側には「はなびへ」と書かれたそれ。……メッセージカード?
「……はなび、それ誰から?」
「染と珠紀と穂と芹……だけど?」
「あいつら俺省いてメッセージ書いたのかよ……!」
なんで俺のこと省いてんだよ。
いま俺が直接渡してるからよかったけど、もし先輩通してこれを渡すことになってたら、俺だけ薄情なヤツみたいになるところだっただろうが……!
なんて俺がつらつら文句を述べている間にも、彼女は肝心のプレゼントの包装を解いていて。
黙ってそれを見ていれば、箱を開けたはなびは「わぁ」と嬉しそうに声を漏らした。
目がキラキラしてる。
これ……は、喜んでくれてるみたいだな。
「浴衣……! かわいい!」
「……すでに持ってたりする?」
「ううん、持ってない。嬉しい」
ふわりと嬉しそうに笑顔をこぼすはなびが箱から取り出したのは、白地に色合いの違う青で描かれた花火柄の浴衣。
花火柄なんて安直だとは思ったけど、全員一致ではなびに似合うだろって決まったのはこれだったんだから仕方ない。
黄色の帯もあわせて、トータルで夏っぽくてかわいいし。
「ほんとはプレゼント、ワンピースにしようって言ってたけど。
ちょうどショッピングモールで浴衣の展開やってたし、はなびに似合うだろうなと思って」
「ほんとに嬉しい……ありがとう。
みんなにも、あとでお礼の連絡するね」