【新装版】BAD BOYS
第5章 どうか消えない夢であれ
・twenty-one
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朝、目が覚めたら。
目の前に綺麗な顔があって、一瞬かちりと固まる。それから状況を思い出して、ああそうか、とひさしぶりの我が家のベッドから、身を起こした。
昨日はあのまま地元へ帰ってきて。
椿の家に立ち寄り、彼が着替えを取りに行ってから、マンションに帰ってきた。
晩ご飯を散々おねだりされたから不服だけど作ってあげたら、嬉しそうだったし。
その顔を見てたらなんでも良くなって、あとは順番にお風呂に入り、テレビを見て軽く話してからベッドに入ったけど。
椿は抱きしめてくれただけで、それ以上はノータッチ。
朝までしっかり抱きしめてくれていたみたいだ。
「起こさなくて、いい、か……」
すやすや心地良さそうに眠ってる彼の髪に、そっと触れる。
コバルトアッシュの綺麗なそれ。ゆるくウェーブのかかった髪は、ふわふわしてやわらかい。
ん、と小さく身じろぎしたかと思うと、もぞもぞと布団に潜り込むから可愛くて笑ってしまった。
朝ごはん作って、起こしてあげようかな。
椿が途中で起きてしまったら恥ずかしいから、先にクローゼットから着替えを取り出す。
洗面所で顔を洗ったついでに着替えてから、キッチンに足を踏み入れた。
食パンにミックスチーズを乗せて焼いて、いい感じに溶けたところに、ベーコンエッグを乗せるとして。
あとはスープとサラダでいい、か。
考えると同時に動いて、とりあえずコーヒーメーカーにマグカップをひとつセットする。
トースト2枚にチーズを乗せて焼いている間に、フライパンでふたつベーコンエッグを完成させた。
お湯をケトルで沸かし、コーヒーメーカーのマグカップを交換して二つ目を入れる。
焼きあがったトーストにベーコンエッグを乗せ、お皿をダイニングテーブルに置いて。
冷蔵庫の中身を見ながら小皿ふたつに野菜を盛って、
出来上がったサラダはドレッシングと一緒にダイニングテーブルに運ぶ。
コーヒーと共に、スープボウルに入れた粉末タイプのスープにお湯を注いで軽く掻き混ぜたら、朝ごはんは完成。
冷めないうちに、と寝室に戻って、彼を揺すった。
「椿、起きて。そろそろ9時になるわよ」