【新装版】BAD BOYS
「ううん。会うならその時でいい。
わたしだけ一方的に知ってるなんてフェアじゃないでしょう?」
「……いや、むしろ一方的に知ってると思うよ」
あ、そうか。珠紀の彼女も情報通なんだっけ。
……ということはわたしの情報くらい簡単に調べ上げているかも、しれないけど。
「……ふふ、でも大丈夫よ。
珠紀の彼女なら、それだけで信頼してるから」
言えば彼はふっと口角を上げて微笑んだ。
それから「いつにしようか?」とわたしの予定を聞いてくれたのだけれど。
白金は特に進学校でもないため、登校日は8月に1度だけ。
桃とは3度遊ぶ約束をしていて、相変わらずバイト三昧の杏子はそのうちの1度だけ一緒に遊んでくれる。
椿とはまだ予定を決めていない、し。
「……そういえば、はなび両親と会わねえの?」
「ん? うん。
忙しくしてるからそんな余裕ないだろうし」
いつでもいいんだけど、と思っていれば椿の声。
そんなわたしたちのやり取りに、なぜかほかの4人が訝しげに表情を見合わせた。
「……お前いま誰と暮らしてんだよ」
「え? 一人暮らしだけど」
「えっ、はなちゃん一人暮らししてるの!?」
「うん。大丈夫よ、セキュリティのいいところを両親が選んでくれたし。
椿の家も近いから、何かあったら連絡しろって」