【新装版】BAD BOYS
・twenty-two
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「はじめましてっ、長谷 みやです。
わがまま言って押しかけちゃってすみません」
翌日の『花舞ゆ』たまり場には、めずらしく女の子がふたりも揃っていた。
ひとりは当然はなびで、もうひとりは珠紀こと魔王様、じゃなかった、魔王様こと珠紀の彼女である女の子。
「……普通にかわいいじゃん」
写真は見たことあるから、知ってたけど。
珠紀の彼女だから何か変わってるのかと思いきや、普通のかわいい女の子だった。案の定、左手にはピンクゴールドの細いリング。
「かわいい……っ」
本名の「みや」をもじって、穂は「みゃーちゃん」って呼んでるらしいけど。
その愛らしさが確かに猫っぽいし、可愛さにすっかり魅了されたはなびが、遠慮なく抱きしめてる。
なんだこの目の保養になる光景……、じゃねえよ。しっかりしろよ俺。
いやでもかわいい女の子に抱きついてるはなびかわい……じゃねえんだよ良い加減にしろ俺の脳内。
「……そういえばはなびは可愛いもの好きだったな」
「顔に似合わずね」
「誰いま顔に似合わないって言ったの」
キッと、発信源である珠紀を睨んだはなびは。
彼女の亜麻色の髪を撫でて、「珠紀にはもったいない」と一言。
うっわ……魔王様を面と向かって煽ってるし……
こうやって珠紀のことを煽れんのは、はなびか染だけだ。それを知ってるから、ガレージ内の温度が一気に下がったじゃねえか。
「はなびこそ、男見る目ほんとないよね」
「……なにそれ嫌味?」