【新装版】BAD BOYS



男なんてみんなそんなもんだよ、とはさすがに言えない。

もう1回「ごめん」って謝ったらはなびは「別にいいけど」と薄くため息をついてから、肘をついて顎を乗せる。



「……似合うと思ってたんだけどな」



「ん?」



「教師。

……椿に似合うと思ってたのに」



ぱち、と目を見張る。

自分ではそんな感覚なくて、「そ……?」と思わず曖昧な返事になってしまった。



「うん。……似合うと思うわよ、教師」



まあ確かに、すみれもいるから子どもは好きだし。

教えるのとかも、苦手じゃないけど。教師な、と、考え込む俺の前で、はなびが悪戯に口角を上げる。




「保健体育の教師はやめてね」



「……俺のことなんだと思ってんの?」



「女子高はやめておいた方がいいと思う」



「だから……」



「……わたしが嫌だから」



「、」



「椿はよくても……

女の子ばっかりの環境に椿がいるなんて、わたしの気が気じゃないでしょ」



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