【新装版】BAD BOYS

「いまの会話ほかのヤツにチクったら、

はなびが椿と付き合ってること言いふらすからね」



「……！　なんで知って……！」



「……やっぱ付き合ってるんだ」



「！？」



騙された……！

いや、これわたし悪くないと思うんだけど……！何気に一番知っちゃいけない人にバレた気が……！！



「まあ、言いふらさないけど。

……なに、流れで椿にあっさり食われた？」



「いやさすがにそこまでいってないから……っ。

いろいろ考えて、椿と付き合おうと思っただけで……まだ、好きになる、途中なの」




それもなんだか変な話だけど。

どうやら珠紀が気になったのは、好きになる途中なんていうわたしの優柔不断な言葉ではないらしい。



「……そこまでいってない？」



「……うん」



「……付き合ったのいつ？」



「……わたしの、誕生日」



妙な間をふくんだ会話。

珠紀はじっとわたしを見つめたあと。「嘘でしょ」ってつぶやいて、「いや本気で？」とまた顔を上げるけれど。



「……本気で何もされてないの？」