【新装版】BAD BOYS
……おかしいな。
わたしの期待した椿の返事と何か違う。なんていうかこう、椿のことだからもっと大袈裟な返事がくるんだと思ってた。
そんなに?ってぐらいの返事。
だけど返ってきたのは驚いていたものの冷静で、どちらかといえば「ごめん」と言われそうな雰囲気が漂う。
……椿ってわたしのこと好きなのよね?
「……ねえ、つばき、」
急に不安になって気持ちを確かめようとすれば、くちびるが触れた。
予想外のそれに驚きながらも目を閉じたら、椿がさらに深いキスを求めてくる。
「すきだよ、はなび」
甘すぎて、思わず腰が砕けそうになった。
力の抜けたわたしの身体を抱き寄せて、「すき」ってまた伝えてくれる。こくんって一回頷いてみれば、彼がわたしの首筋に顔を寄せた。
「……あー、やばい、うれしい」
「、」
「今すげえベッドの上でジタバタしたい」
……そんなこと言われても困る、のに。
なんとなく言いたいことが伝わってきて、頰がゆるむのをおさえられない。ぎゅっとしてくれる椿のことが、今はとても、愛しくて。
「もっと……、」
キスを、おねだりすれば。
また目を見張った椿が、「そういうのずるい」ってちょっと赤い顔で言うから。
いつも通りの椿に安心して、身を寄せた。