【新装版】BAD BOYS



「は!? はあ!? いつ!?」



「ちょっと桃、声大きい……」



「だって杏子も聞いてたでしょ!?」



「はなびが年上の彼氏と別れて、この間会った男の子と付き合うことになっただけでしょ。

べつに別れてほかの人と付き合ってる子なんか山ほどいるんだし、」



「そうなんだけど……! そうじゃなくて!

いつの間にそんなことになってたの!?って!」



翌日。

阿鷹家のママさんが今日からお盆でパート休みのため、今日から椿もたまり場に行くらしいけど。わたしは、桃と杏子と一緒に遊びに来ていた。



どちらかといえばインドア派が多いのに、遊園地。アトラクションで一通り遊んで、いまはランチ中。

食べ終わったら、遊園地内にあるプールで夕方まで遊ぶつもりなのだけれど。




……椿に言ってないのよね、プールのこと。

「遊園地に行ってくる」としか言ってなくて、それには「気をつけて。楽しんでおいで」と返信をくれた。



まあ……男の子と一緒に遊ぶわけじゃないから、大丈夫だと思うんだけど。

水着だってワンピースのものだし、ほかの水着に比べれば露出は少ないほうだと思う。



「だから、夏休みに入ってからそういうことになったのを今説明してるんじゃない。

っていうか、この間会ったってなに?」



「はなびが、彼氏に会いに行ってくるって楽しそうに報告して帰った日。

あの日桃に強引にカフェに連れて行かれて、そこで会ったの。デート中って言ってたけど、」



「『Romeo』っていうカフェね!」



それ、って。わたしが椿とそのカフェにいて、マスターの彼に『BLACK ROOM』の話を聞きに行った日じゃないの……?

あのカフェに、杏子と桃いたの……!?



「っていうか、いいなぁ……

相手が椿くんなのもかっこいいから羨ましいし、彼氏のいる夏休みもいいなー」



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