【新装版】BAD BOYS



自分のスマホに転送した発言はさておき。

スマホを返してもらいながら言えば、「まあ相手による」とどこか納得できなさそうな椿は、そのまま「な?」と話題を珠紀に振った。



「……なに」



「彼女がプール行くって言い出したら」



「そんなのダメに決まってるでしょ。

行かせるわけないじゃん、バカなの?」



「……口は悪いけど珠紀も俺と同じだって」



……そう言われても。

わたしだって桃や杏子と一緒に遊びに行きたいし、女の子同士だから楽しいこともあるのに。



心配してくれてるんだろうけど、素直に「じゃあ椿としか行かない」と言える問題でもないわけで。

仕方なく「とりあえず次回から行く前に報告はする」と約束して、話は落ち着いた。




「で、なに、芹はその子のこと口説いてんの?」



「別に口説いてねーよ」



「あら?

わたしが杏子から聞いた話だと、口説いてるようにしか思えなかったけど?」



「誰かコイツの口塞ぐガムテープ持ってこい」



芹が冷凍庫からいつも食べてるソーダアイスを出してきたかと思うと、ソファに腰掛け袋を破りながら「まじで口説いてねーから」と一言。

それがどうも嘘を言ってるようには見えなくて、わたしも「そう」と返すしかなかった。



「つーか、お前椿に手出されてないってマジ?」



「……なっ、」



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