【新装版】BAD BOYS
なんでその話……!!
いや、散々色々聞いたわたしへの仕返しがしたいだけなんだろうけど……!そんなきわどい話を選んでこなくてもいいじゃない……!!
「昨日飯行ったときにその話になったんだけどよー。
あの椿だろ? それはねーわ、ってなって、」
「お前ら俺のことどれだけ遊び人だと思ってんの!?
はなびにもそういう顔されたから疑われると思ってたけど、何もしてねえって……!」
「ほらな?」
「ほらなじゃねえよ!」
……今日も椿と芹の仲の良さはばっちりだ。
といっても、何もされていないのは事実なわけで。「本当よ」と椿の味方になってあげれば、これでもかというほどに目を見張る芹。
「あれから進展ないとかある?」の口ぶりからして、珠紀もそう思ってたみたいだし。
どうやら昨日は相当肩身の狭い思いをしていたらしい。
「ほんと。何もされてないわよ」
「ほらみろ……! 俺そう言ったじゃん!」
わなわなと打ち震えている椿がわたしの元に歩み寄ってきたかと思うと、ぎゅうっと抱きついてきて。
よしよしと頭を撫でてあげれば、甘えるようにわたしの首筋へと顔を寄せる。
「どさくさに紛れていちゃいちゃしないでよー」
「俺には癒しが必要なの」
「椿が手出してないって、
何か悪いものでも食べたとしか思えないんだけど」
「……ほんと何なの俺の雑な扱い」