【新装版】BAD BOYS
『そんなの、とっくに知ってるわよ?』
「……え?」
『あら、聞いてなかったの?
ノアくんが連絡してきてくれたのよ。自分とは別れてはなびは今ほかの男の子に夢中だから、またマンションで一人暮らししてるって』
ほかの男の子に夢中って……
確かに誕生日の日に「がんばっておいで」と彼は見送ってくれたけど。
「じゃ、じゃあ……反対してないの?」
『反対……んー……
その子がこの先どういうところに進学するとか就職するとか、色々気になることはあるんだけどね……ノアくんにああ言われちゃ、』
反対とは言えないわよね、と。
嘆くように答えるお母さん。……ノア、一体わたしのお母さんになに言ったの。
『「俺みたいに変に脳を使うようなずる賢い男よりも、はなびをまっすぐ想い続けてる男の方が、絶対に幸せにしてくれると思いますよ」』
「え、」
『「まあでも、そうならなかったときは俺が嫁にもらうので安心してください。そうすればはなびが不幸になることは絶対にないですから」
ですって。ふふ、最終的にノアくんがもらってくれるなら、まあいいかなーと思って』
「………」
『ノアくんお婿さんに欲しかったんだけどなぁ』
……お母さん、ノアに弱すぎない?
ノアもノアで、連絡したなら教えてくれれば良いのに。っていうか、ノアにはもう千秋さんがいるはずなんだけど。
わたしを嫁にもらうって、最終的にそれこそ浮気じゃないか。
……いや、そうならないって分かってるから、そういう言い方してくれてるのか。