【新装版】BAD BOYS
っていうか何送ってくれたんだろう……
昔からお父さんはまだ幼いわたしに高級なものをプレゼントしてくれたり、センスが謎なものをくれたり、色々変わっている人だけど。
せめて普通に使えるものがいいな、と思っていれば。
『ふふ……今年のプレゼントは、
はなちゃんとっても喜ぶんじゃないかしら』
お母さんの一言で、ひとまず安心する。
よかった。お母さんの目があるなら変なものは送られてこないだろうし。
「届いたらまた連絡するね」
『ええ。ぜひ彼氏さんにも感想聞いて』
……椿にも?
ってことは何か使えるもの……なんだろうか。
ひとまず「うん」と返事して缶に口をつける。
どうやらお父さんはお風呂に行ってしまったようで、「長電話していいの?」とお母さんに聞いてみれば。
『気にしなくていいのよ。
はなちゃんも、たまにはわがまま言いなさい』
「わがまま言うようなことなんて何もないわよ。
ああでも、お盆には会えないし……時間出来たらでいいから、関東に来れる時は声かけて」
『ふふ、うん。
きっと年末くらいにはそっち帰れるはずだから』
それじゃあ、会えるのはまだ先だ。
わかったと返事して軽く会話を済ませると、「おやすみなさい」を告げて電話を切る。掛ける前は憂鬱だったはずなのに、随分とホッとした。
これで気兼ねなく椿と付き合える。
明日椿に両親が反対してたことと、いまは一応認めてくれていることを素直に話そう。
あと、ひそかにサポートしてくれていた、ノアにもお礼を言わなきゃいけない。
……なんて、安心していたのは、寝る前だけだった。