【新装版】BAD BOYS
「、」
はなびの肩に頭を預けたら、ふらふらするような感覚がおさまった。
夢見心地な感覚が気持ちよくて、目を閉じれば髪に触れるはなびの手。……いまなら寝れそう。
「……ごめん、ちょっとだけ」
この時間を手放したくなくて、まだ意識がはっきりしているうちに彼女の太ももに頭を乗せる。
よしよしと頭を撫でられたらすごく安心して、しあわせなまどろみの中にいるような気分だ。
「……お前がいるから安心しきってんな」
「わたし?」
まぶたが重い。
5人の話し声がぽつぽつ耳に届くけど、それのどれも考えるまで至らないほどで。ただはなびに膝枕してもらっている状況が、単純に、うれしい。
はなびの腰に、腕を回す。
そのまま心地よさに身を委ねれば、深い眠りに落ちるまではとても呆気なくて。
「……ほんと、幸せそうな顔で寝ちゃって。
穂そこにある膝掛け貸して。エアコン利いてるから、椿が風邪ひく」
「たまちゃんってほんとツンデレだよね……
はいどうぞー。かけてあげてー」
「……椿、家に連絡入れてあるのか?
外泊するならさすがに連絡しないとまずいだろ」
「そうね……わたしから連絡しておくわ。
今日はもう、しばらく起きないかもしれないし」
「さすが未来のお嫁さんだねー、はなちゃん」
俺が眠った後、5人の中で行われていた会話を。
当然俺は、知る由もない。