【新装版】BAD BOYS
「はいはい、イチャつくなら家でやって。
あと椿、そのだらしない緩み顔なんとかして」
「俺の彼女かわいすぎると思わねえ? シイ。
いや、かわいいって言われてもあげないけど」
「一生やってろ」
シイに冷たく吐き捨てられるけど、今の俺はそんなことでヘコんだりしない。
「いいの?」ってはなびに追い打ちをかけたら、ふるふると首を横に振る。それを見て髪を撫でるだけにとどめると、彼女を解放した。
「もう……揶揄わないで」
赤くなった頰を自分の両手で包んで、俺を見上げるはなび。無意識な上目遣いがかわいすぎる。
かわいいし抱きしめたいしキスしたい。っていうかもう全部ひとりじめしたい。
焦らしてるのは俺の方なのに、
はなびよりも俺の方が焦れったくなってる。
「……はなび」
「……、うん?」
綺麗な瞳が俺に向く。
その視線に捉えられるとどうしようもなくなっていたあの頃の俺とは違って、今はもう、何もかも俺のすべてがはなびで染まっているから。
「……愛してるよ」
伝えた言葉に、はなびが目を見張る。
それから、嬉しそうにふわりと笑って。うん、とうなずいた後、伸ばした手で俺の手をつかんだ。
「ふふ、あのねっ。
うれしいから……ぎゅって、したい」
はなびが可愛すぎるから理性がもたないって。
……もういい加減、言い訳にしていいかな。