【新装版】BAD BOYS



ひとまず染の無事は確認したし、トウカさんの発言を鵜呑みにするならば「これ以上の追跡は無理」。

警察へと身柄が引き渡された以上俺らもどうしようもないし、今日は解散。染が「迷惑かけて悪かったな」と謝ったけど、誰も迷惑なんて思ってない。



「絶対無理、しないでね。

無理したらめちゃくちゃ怒るからね。わかった?」



「……わかったよ。

椿が待ってるから、ほら、はやく行ってやれ」



「……心配だから、本当に無理しないで」



そう染に釘をさしたはなびと、帰宅したマンション。

交代でお風呂に入ったはいいものの、リビングで微妙な距離を保ったまま、はなびが炭酸の入ったグラスに口をつけた。



「……そっち行っていい?」



ピクッと跳ねる彼女の肩。

その上でブルージュに染められた髪がゆらっと揺れて、一房流れる。




「だ、め」



「……なら、はなびがこっちおいで」



ぽんぽんとソファの隣を軽く叩くと、はなびは首を横に振るだけ。

緊張してるっていうのがわかりやすく伝わってきて、「何もしないよ」と言えばようやく、はなびが俺の隣に腰を下ろした。



完熟になるまで焦らしてから、俺は自分のものにしたいわけで。

そうなるまで、もしくは何かきっかけがあるまでは、何もしないと決めているけれど。



「ぎゅって、してほしい……」



「……ん」



数時間前のあれは、さすがに暴走しすぎた。

あまりにもはなびが可愛かったから、あのまま連絡がなかったら本気で食い尽くしてただろうなと自分でも思う。



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