【新装版】BAD BOYS



「……イチャイチャしたいって言ってるけど、

椿は具体的に何がしたいの?」



「え」



……何がしたい、って。

顔を上げれば、予想以上に真剣な瞳と目が合った。どうやらからかっているわけではないらしい。



「なに……

んー、抱きしめるのとか、キスとか?」



「……それ昨日散々やったでしょ?」



「……イチャイチャするのって飽きないじゃん」



そう言って、はなびを「おいで」と手招く。

どうやら一度休憩するようで素直に近づいてきた彼女を膝の上に座らせ、後ろから抱き締めるようにして身を寄せた。




「……はなびいい匂いする」



ブルージュの髪から漂う甘い香り。

髪に寄せるようにして彼女の肩に顔をうずめる、至極一方的な暇つぶし。拒まれないだけマシだ……なんて、ちょっと悲しいことを思っていれば。



「……ねえ椿」



「ん?」



「夏休みが終わるまでに……

まじめに椿が課題終わらせられたら、」



「……うん」



「……ひとつだけ、言うこときいてあげる」



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