【新装版】BAD BOYS
いい意味で、誰とも調和しない。
「……ずっと、
言えなかったことがあるんだけどー」
「……うん」
「………」
視線が、ゆるく絡む。
穂の瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちて。一瞬目を見張るけど、どうしても今この先を聞かなきゃいけないような気がした。
道の真ん中だとか、誰かに見られたら色々誤解を受けるとか、そんなことよりも。
いまはただ、目の前の穂が紡ごうとしているその言葉の続きを、知らなきゃいけない気がする。
たとえそれが、
どんなにいびつなものだったとしても。
「ぼく……
つーちゃんのこと、すきだよ……」
「……うん」
「だめだって、何度も自分に言い聞かせて……
はなちゃんの誕生日の約束のためにつーちゃんの背中を押したときに言ったことだって、なにも、うそじゃないけど……」
まっすぐな、視線も。
散々悩んだ末で口にした迷いのない想いも。
「ごめんね、つーちゃん。
つーちゃんがぼくのこと好きでいてくれてるのも知ってるけど、ぼくの「好き」の意味は違う」
とてつもなく、綺麗だと思う。
手を伸ばしてやれないのが、残酷なほどに。
「……言っちゃいけないって、思ってたけど。
たまちゃんにも芹ちゃんにも彼女できて、つーちゃんも上手くいったの見てたら、なんか、色々しんどくなっちゃった」