【新装版】BAD BOYS
「姉さんが意地悪したから、
椿ショックで固まっちゃったよ?」
「あら、キスでもしたほうがいい?」
「……そんなことしたら、
いろんなヤツに椿が殺されると思うよ」
「うん、わたしもそう思うわ。
……ああ、そうだ。椿、バイトするらしいわね」
「何で知ってるんですか……」
もうこの人凄い通り越して怖ぇよ。
俺両親とはなび以外にバイトの話したっけ?と首をかしげていたら、「和璃さんのとこで働くんでしょ?」と一言。
……まさかのそっちと知り合いか。
俺が見た求人募集は店に貼ってあったものだから、美容室に直接行ったら、その場で即採用された。普通面接とか挟むんじゃ、と思ったけど、なんでも「店の宣伝になりそうだから」らしい。
「知ってた?
あの美容室、はなびちゃんもお客様なの」
「え」
「カズ……和馬ってわかる? 和璃さんの息子。
はなびちゃんは気づいてないけど、カズずーっとあの子のこと狙ってるらしいわよ。まさかバイトで入った子が彼氏だって知ったら修羅場よねー」
「………」
「姉さん、椿のこと揶揄って遊ぶの好きだね」
「だってウチには、ここまで面白い反応してくれる子いないじゃない?
紫月もマヤもミルも、反応がつまらないんだもの」
「……本人の前で「反応がつまらない」とか言っておきながら、俺らの反応見て面白がってるでしょ?
今日も姉さんのドSぶりが絶好調すぎるよ」