【新装版】BAD BOYS



「『花舞ゆ』のメンツって、

がんばって髪色でアピールしてるみたいなとこあるよな」



「昔からみんな色が奇抜よね」



「穂なんか、いまミルクティー色で毛先がヴァイオレットになってんだけど」



「……ねえ、染は?

染めてるの見たことないけど」



「あいつは今も黒髪のまま。

……ってか、あいつだけ通ってんの朔摩だから無理だって。あんな進学校に俺らみたいな髪のヤツは通えねえよ」



「ああ……朔摩行ったの」



「残りの3人は氷見が丘な」




それで穂の髪色も派手なのか。朔摩は彼の言う通り進学校で真面目だし、染にはよく合うと思う。

氷見が丘は校則がわたしの通ってる白金と同じぐらい緩いし、天皇寺はよくある普通の校則に近い。



それぞれの学校を教えてもらいながら、やっぱりその3校は警戒しておかなきゃ、と頭の中で考える。

とりあえず、桃の口から出た合コンの話題がその3校のどれかだった場合は徹底的に避けよう。



「……ん、椿、ちょっとくすぐったい」



髪に触れてた椿の指先が、首筋のあたりに触れる。それがくすぐったくて思わず身をよじり、椿を見上げると。



「……ノア先輩に付けられたの、これ」



「え?」



するすると、撫でられる感触。

その場所は。……その、場所、は。



< 57 / 463 >

この作品をシェア

pagetop