【新装版】BAD BOYS
「『花舞ゆ』のメンツって、
がんばって髪色でアピールしてるみたいなとこあるよな」
「昔からみんな色が奇抜よね」
「穂なんか、いまミルクティー色で毛先がヴァイオレットになってんだけど」
「……ねえ、染は?
染めてるの見たことないけど」
「あいつは今も黒髪のまま。
……ってか、あいつだけ通ってんの朔摩だから無理だって。あんな進学校に俺らみたいな髪のヤツは通えねえよ」
「ああ……朔摩行ったの」
「残りの3人は氷見が丘な」
それで穂の髪色も派手なのか。朔摩は彼の言う通り進学校で真面目だし、染にはよく合うと思う。
氷見が丘は校則がわたしの通ってる白金と同じぐらい緩いし、天皇寺はよくある普通の校則に近い。
それぞれの学校を教えてもらいながら、やっぱりその3校は警戒しておかなきゃ、と頭の中で考える。
とりあえず、桃の口から出た合コンの話題がその3校のどれかだった場合は徹底的に避けよう。
「……ん、椿、ちょっとくすぐったい」
髪に触れてた椿の指先が、首筋のあたりに触れる。それがくすぐったくて思わず身をよじり、椿を見上げると。
「……ノア先輩に付けられたの、これ」
「え?」
するすると、撫でられる感触。
その場所は。……その、場所、は。