【新装版】BAD BOYS
・five
・
ヴー。ヴー。……ヴー。ヴー。
耳元で鳴り続けるバイブレーション。うるささに思わず顔を顰めるけど、数分も空けずに絶えず鳴り響くそれに耐えかねて、手を伸ばした。
「もしもし……なに……?」
『寝起き? お前いま何時だと思ってんの』
「お前は俺の母親?」
すみれがいなくて、いつもより広いベッドの上。
ごろんと寝返りを打って時計を見れば、時刻は10時半。……うっわ、中途半端。
『昨日サボったんだから今日は来いって。
ノアさんのカノジョとデートしてたじゃん。その惚気聞けると思って昨日楽しみにしてたのに』
「惚気どころか気分最悪だっての」
昨日は月曜だったけど、学校をサボってだらだらとしていたせいか。
今猛烈に頭が痛い。っていうか全身怠いし、ぶっちゃけ学校とか行きたくない。いまから準備しても3限は無理だし、4限からってのも、な……
「つーかお前、いま授業じゃねえの……?」
『愛しの椿くんが来ないからサボって電話』
「キモいからやめろよシイ」
お前もサボってんじゃねえか。
……ちゃんと来てる分、俺よりマシだろうけど。
『迎えに行ってあげてもいいよ』
「お断りに決まってんだろ〜」