【新装版】BAD BOYS
甘やかされすぎて、本当にだめな子になってしまいそうだ。
特に染は、わたしに対して甘すぎると思う。今に始まったことじゃないけど。
「わたしは、自分で選んだことを……
後悔なんて、していないのに?」
『ああ、それは知ってる。
でもな。……お前がいて、俺らはひとつだろ』
……ああ、だめ、だな。
本当にだめな子になってしまう。甘やかさないで欲しいのに、もらえる言葉は優しくて嬉しい。
みんなの顔が見たい。
顔を見て、「ただいま」って言いたい。そうすれば間違いなく、みんな「おかえり」って言ってくれるから。
「っ、もしノアと大喧嘩したら、
原因は100%、みんなだからね……」
『ははっ、それなら大喧嘩してみろよ。
……喧嘩したこと後悔させねえぐらい、こっちで楽しませてやるから』
大した自信だ。
染にはそれぐらいの気持ちでいてもらわなきゃ、わたしだって「もどりたい」なんて思えないけど。
「……本当は大好きよ、みんなのこと」
『信じて欲しいなら、はやく帰ってこい』
「ふふ、……努力はする」
どっちかにしなきゃいけないと思い込んでたけど。
わたしだってたまには貪欲に、"どっちも"欲しい。
『……ああ、もうそろそろ日が変わるな。
お前も夜更かししてないで、ちゃんと寝ろよ』
「染こそ、わたしの目が届かないからって夜更かししないでよ?」