【新装版】BAD BOYS
・seven
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「千秋さんも、体調崩されたりしてませんか?」
「うん、大丈夫よ。
ありがとうはなびちゃん、心配してくれて」
ふわり。笑う彼女は、どこまでも優しい笑みを向けてくれる。きっとどうしようもないくらい、わたしのことを大事に思ってくれている。
その優しさに素直に甘えられるような性格だったら、どれだけ良かったんだろう。
どこまでも、千秋さんは真っ直ぐだから。
ときどき、その真っ直ぐさが怖いと思ってしまうわたしに、彼女の好意を受け取る資格なんてないんだと思う。
「……はなびちゃんは、ノアのこと好き?」
甘い声で。どこまでも女の子らしい仕草で。
首をかしげて、わたしに問い掛ける。可愛げのないわたしには、絶対にできないことばかりで。
その問い掛けが、とても怖いと思う。
わたしはノアのことが好きだ。だけど、そのせいで何度も彼に縋ってきたから。『花舞ゆ』を手放してしまう程に愛おしいと思った彼への気持ちが、膨らんで。
「すき、です」
最初とはもう変わってるんでしょう?と。
自分の中の何かに囁かれた気がしたけれど、強引に噛み砕くように肯定する。そうすれば彼女が安心したような笑みを見せるから、泣きたくなった。
「……やっぱり、はなびちゃん、うちにおいで」
「千秋さん」
「想い合ってるふたりがばらばらになっちゃだめだよ。
好きって言える時に、そばにいなきゃ」
それを言ったのが紛れもなく彼女だから、息苦しい。その意味を誰よりも理解してる人だから。
ぽろっと、涙がこぼれ落ちる。ノアの前では、何度も泣いちゃいけないと思ってた。がんばってる彼に、迷惑をかけたくなくて。でも。
「そばに、いたい、けど……っ、」