魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
「すいません、取り乱しました。その、母からもらった回復薬って、まだありますか?」
「ああ、残っている」
トラヴィスは革袋から回復薬の小瓶を取り出した。それをレインに手渡す。彼女はその回復薬の蓋をキュポッと開けると、匂いを嗅ぎ、そして一口だけ舐める。
「トラヴィス様、これ」
「なんだ?」
「催淫薬も混ぜられていますよ?」
良かった。口の中に何も含んでいなくて。思わず、トラヴィスは吹き出すところだった。
「いや、それは。ニコラさんが渡してくれたもので」
必死で言い訳をしているトラヴィス。いつもの彼だ。
「ええ、トラヴィス様がウソをついていないことは、わかっています。ですが、母の薬は怪しいので、あまり信用なさらないでください。多分、こんなことだろうと思って、先ほどトラヴィス様に飲ませた薬が解除薬です」
「ああ、残っている」
トラヴィスは革袋から回復薬の小瓶を取り出した。それをレインに手渡す。彼女はその回復薬の蓋をキュポッと開けると、匂いを嗅ぎ、そして一口だけ舐める。
「トラヴィス様、これ」
「なんだ?」
「催淫薬も混ぜられていますよ?」
良かった。口の中に何も含んでいなくて。思わず、トラヴィスは吹き出すところだった。
「いや、それは。ニコラさんが渡してくれたもので」
必死で言い訳をしているトラヴィス。いつもの彼だ。
「ええ、トラヴィス様がウソをついていないことは、わかっています。ですが、母の薬は怪しいので、あまり信用なさらないでください。多分、こんなことだろうと思って、先ほどトラヴィス様に飲ませた薬が解除薬です」